【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

「あたしは傍若無人になってるセロを擁護するつもりはない。あなたにセロの言いなりになりなさいなんて言わないわ」


先生は、敵ではない。


「だけどあなたを守る力もなければ。逃げ道だって用意してあげられない」


あの悪魔が強すぎるんだ。

人間がかなう相手ではない。


「高校生のあなたに、酷なことを言うけど。セロとの問題は――彼とどう付き合っていくかは、柚月さん自身が決めていくしかないの」

「……わたしが、決める?」

「どういうわけかあなたは、セロに完全に流されていないみたいだし。たとえばそうね。飼われる前に――飼っちゃえばいいんじゃない?」

「え?」

「"あたしが食べたいなら尽くしなさい!"……ってね」


そんなこと言ったら骨を砕かれませんかね。


「ふふ。相談に乗るだけなら、できるから。いつでもいらっしゃい」

「ありがとうございます」

「あまり頭を使うのは得意じゃないんだけど。男を落とすテクニックの方なら。ね?」


なにを伝授する気ですか。