【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

今わたしがこうして生きていられるのは、奇跡なのかもしれない。


「脅しているわけじゃないのよ。彼も、今を生きているってことは、わかってあげて欲しいかな」



黒羽根くんに近づいてこられたのは


わたしの"香り"のせい。


香りが違えば、なにも起きなかった。


悪魔の存在を知らずに生きていた。



知らない方がよかった?


忘れてしまった方がいい?


戻れる選択があるなら戻りたい?



……わからない。