【ほんと、美味しそう】


かわいいパッケージの

ピンク色したチョコレートに向けて放たれていたと思っていた


【今にも喰らいつきたくなる】


あのときの言葉は


……わたしがウマそうだ、と言っていた。



そう理解すると、


全身から悪寒のような――ゾクゾクっとしたものが、またこみ上げてきた。



なんで?

どうして、わたしなの?


わたしが、こんな目に……。


【コイツは俺のものだ】


もうなにも考えられない。



「巻き込むべきでない子を。巻き込んじゃった……か」


ぽつりとつぶやくと、わたしに近づいてきて、ポンと頭に手を乗せてくる。


「怖がらないで。大丈夫だから」