「まったく。セロは女心ってのがわかっていないんだから」
「そんなもの理解する必要がない。どうせこの世の全ての女は俺の虜になるんだ」
「なってないじゃない。柚月さんの心にいるのは別の男の子みたいね?」
「煩い。その芋の目が節穴なだけだ」
失礼な。
タスクはいい男だよ、誰よりも!
って、誰がイモだ。
「果たしてできるのかしら?」
「できないわけがない」
「と、トリコになんてなりません……!」
「なんだと」
わたしを睨み付ける黒羽根くん。
「ふふ。セロの手に追えない子、初めてみた」
わたしが好きなのは、タスク!
悪魔の思い通りになんてならない!
「……喰う気失せた」
黒羽根くんはベッドからおりると、カーテンをくぐり、保健室から出て行った。


