身を起こすと

あっというまに、わたしに覆い被さってくる悪魔。


また……この男は。


躊躇なく、こういうことしてくる。


それにいちいちドキリとさせられるのは、すごく悔しい。


「近すぎ……」

「近づかなければ食えない」


食事のメカニズムがよくわかりません。


なにを、どうすれば、


悪魔の"食事"?


「魂……を。抜かれちゃうの?」

「そんなもの要らん」


そんなものとはなんだ。


「言っただろう? 一度に食する気はない、と」


そういえば少しずつ食べるみたいなこと宣言された。


言う通りにしていれば傷もつけないと。