「名前どうする?孝ちゃん決めて。」

みどりが言うと孝明は笑顔で頷く。
 
「大きく翔ぶで“ひろと”どう?」
 
「ヒロ君か。うん、いいね。」

みどりは笑顔で答える。

この子は孝明の子供だ。

たとえ血が繋がっていなくても。

孝明と二人で育てていくのだから。

大丈夫。きっといい子に育つから。

みどりは自分に言いきかせる。
 
「ヒロ君、ヒロ君。」

大翔を抱いて声をかける孝明を、みどりは涙汲んで見つめた。