カッコウ

高円寺の駅前で夕食を済ませて、孝明の部屋に向かう。
 
「ねえ、孝ちゃんの部屋、綺麗?」

緊張を隠すように明るく聞くみどり。
 
「物が少ないから。殺風景だよ。」

孝明は笑いながら言う。
 
「掃除とか洗濯、面倒じゃない?」

並んで歩きながらみどりが言うと、
 
「仕方ないよ。一人だから。」

と孝明は言って、その後の言葉を飲み込む。

みどりが問いかける目をすると、控えめに首を振る。

孝明が言わなかった言葉を考えると、みどりの心は甘く満たされる。
 
「私にやってほしい?」

上目で孝明を見つめてみどりは言う。

孝明は頷いたあとで、みどりの頭を抱き寄せた。