ずるい茂樹は、いつも逃げ腰で。

茂樹は拒否したけれどみどりが強く求めたから。だから茂樹は応えただけだと、みどりに自覚させる。

そのくせ10日もするとみどりを呼び出す。ただ自分の欲望を満たす為に。
 
みどりはそれでいいと思っていた。

茂樹がみどりの体だけを求めていても。体も自分だから。

『妻のことはずっと抱いていない』

と言う茂樹の言葉を信じた。
 


自分の欲望を満たすと、別れ話しをする。そして体が渇くとまたみどりを誘う。

最低の男だと思う。だから茂樹が好きなわけじゃない。

女子大生なのに不倫をしている自分に酔っているだけ。

自分が悪いことをしていると父のことも許せるから。
 
そう思いながら1年以上続けた関係。

それは何となくみどりを曇らせていく。

そして、なかなか抜けられない泥沼のように、みどりの足を捕えている。

まだみどりは、そのことに気付かない。