4月までの忙しさにみどりは救われた。

子供達の生活環境を整えるために、色々な手続きを急がなければならなかった。

みどりは連日、あちこち駆け回る。
翌週末には孝明と会って、離婚届を記入した。

たった一週間で、孝明の表情は落ち着いて柔らかくなっていた。

大きな悲しみを受止め、消化し、前を向いた孝明。

人間としての大きさにみどりは驚き、孝明を失った悲しみを実感した。