父に話したことですべてが現実になったと孝明は思った。

昨日はまだ半信半疑で。

夢であってほしい。

目が覚めたらベッドの中で。

何も変われない朝が来てほしい。

そう思いながら一睡もできずに車の中で朝を迎えた。
 
まだ30才を過ぎたばかりの孝明。

結婚していない同級生もたくさんいる。

荷が重すぎる現実。

それでも孝明は一晩中考えた。

みどりを許すこと。

今までと同じ生活を続けること。

でも大翔を見る目が変わってしまう。

いつか大翔を傷付けてしまう。

事実は変えられないから。