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わたしはひとの目に、おとなしそうな性格に映るらしい。
外れてもいないと思うけど、外見が与える印象はやっぱり大きい。

丸顔で顔のパーツは控えめ。笑うと目が三日月形にふわりとすぼまる。

「色白で肌のキメが細かくて、パーツにこれといった難がない。メイクの腕をふるいたくなる」とは香帆ちゃんの評だ。
「メイクは粗を隠すものじゃなくて、自分を活かすためのもの。楽しんでやるのがいちばんだよ」そんな香帆ちゃんの言葉を思い出しながら、わたしは日曜の朝、鏡の前でメイクに勤しんでいた。

リキッドファンデーションをスポンジで丁寧になじませる。
今日は直斗さんのコレクションの中からBaiserのアイクレヨンを使わせてもらうことにした。
レッド、ブルー、オレンジ、パープル…おそらく全色揃っている。

ふだんビビッドな色を使うことってあまりないから、わくわく感と緊張が入り混じる。
悩んだ末に、シルバーカラーを目頭に広げてアップルグリーンを目尻に引いた。ビタミンカラーで明るく、かつ爽やかな仕上がりをイメージして。
今日着ているカナリア色のトップスとも合いそうだ。