いざ直斗さんのマンションで暮らしてみると、たとえばドライヤーひとつとっても、性能はすごくいいのだけどわたしの手にはどうにも大きかったり。
調理器具も使い慣れたものが恋しくなってしまう。
大口の物を男性スタッフが、小物は女性スタッフが担当して、荷物がトラックに積まれたら、わたしたちも車で直斗さんのマンションにとって返す。
あれやこれやとわたしの持ち物を持ち込んでも、余裕で収まる彼のマンションのスペースが頼もしい。
すべて完了して引っ越し会社のスタッフが引き上げていったのは、午後二時を回った頃だった。
私物が揃って暮らしが整ったと同時に、いよいよ逃げ場がなくなったと気づかされる。
「ちょっと遅くなったけど、ランチ食べに行こうか」
「そうしましょう」
来週には直斗さんの婚約者として、彼のご両親と対面するのだ。
それにしても…いつまで続けるんだろう?
調理器具も使い慣れたものが恋しくなってしまう。
大口の物を男性スタッフが、小物は女性スタッフが担当して、荷物がトラックに積まれたら、わたしたちも車で直斗さんのマンションにとって返す。
あれやこれやとわたしの持ち物を持ち込んでも、余裕で収まる彼のマンションのスペースが頼もしい。
すべて完了して引っ越し会社のスタッフが引き上げていったのは、午後二時を回った頃だった。
私物が揃って暮らしが整ったと同時に、いよいよ逃げ場がなくなったと気づかされる。
「ちょっと遅くなったけど、ランチ食べに行こうか」
「そうしましょう」
来週には直斗さんの婚約者として、彼のご両親と対面するのだ。
それにしても…いつまで続けるんだろう?



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)