「一瞬、王子様かと」
「一瞬?」と彼がわざとらしく片眉を上げる。
「あ、あの…ずっと」
わたしにとって王子様は直斗さんだ。
「じゃあお姫様を連れ去っていいかな」
顔に熱が集まるのが分かる。それだけで返事みたいなものだ。
膝に大きめにカットしたガーゼを貼ってもらって、ひょいと直斗さんに抱き上げられる。
「連れ去るっていっても、もう自分のうちだけどね」
彼の肩に頬を寄せる。連れて行ってほしい。彼が望む場所へ。
「一瞬?」と彼がわざとらしく片眉を上げる。
「あ、あの…ずっと」
わたしにとって王子様は直斗さんだ。
「じゃあお姫様を連れ去っていいかな」
顔に熱が集まるのが分かる。それだけで返事みたいなものだ。
膝に大きめにカットしたガーゼを貼ってもらって、ひょいと直斗さんに抱き上げられる。
「連れ去るっていっても、もう自分のうちだけどね」
彼の肩に頬を寄せる。連れて行ってほしい。彼が望む場所へ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)