四宮とのあの勝負から三年後‐


サキの将棋教室は前の賑わい、いや前以上の賑わいを取り戻し、その知名度と功績から今日、名人戦が行われることになった。


記者や報道陣が待ち構える中、名人が会場へ姿を出した。


「それではただ今より名人戦を始めます」


そう言葉を出す記録係は、もちろんサキだ。


「先手名人、鈴木善治」


名人は静かに頭を下げた


「後手七段…」


そこまで言うと、サキはこっちを見てそっとウィンクをしてきた。



「吉岡サトシ!」



‐終‐