16歳の誕生日
一緒に暮らす祖父から
“お前には生まれる前から決まった相手がいるんだよ”と知らされた。

そして、高校を卒業すれば
その相手と婚約することになると。

でもその時の私はまだ恋と言うものを知らずにいたせいで、祖父の話を本気にする事もなく、理解すらしていなかった。

それから、祖父が病気になり
必ずその相手と一緒になるようにと言い、
その相手と一緒になれば必ず幸せになるからと言い残し亡くなってしまった。

どんな相手なのか、どうしてそんな事が決められているのか気になったけど、祖母に尋ねても教えてもらえることはなく私は17歳になった。


そして、私は婚約者のことなどすっかり忘れて去っていた。