「……君たちが、ここに来るように仕向けたのは僕だ。でも、来るのが速すぎる……おかげで、計画が全部狂った」

そう言った後、ルトは狂ったように笑い出した。

「あはは……面白いよ。君たち……っ!もっと僕を楽しませて!!」

ルトは素早く閃に近づくと、閃に攻撃をする。それを食らった閃は吹き飛んだ。

「閃!」

「……大丈夫……」

床に叩き付けられた閃は、顔を上げると微笑む。次から次へと、利希たちにルトは攻撃を仕掛けた。

「……見てなよ。ほのか……仲間の傷付いてく姿を!」

ルトは余裕そうに笑いながら、私を見る。私は、俯くことしか出来なかった。動けない自分が嫌になってきて、服を掴む。

その時、何かがぶつかるような音がして私は顔を上げた。部屋に張られていた結界が破れている。

「……僕の大切な仲間を傷付けるな……」

私たちの目の前に、ライヤ様と同じ和服を着た庚が姿を現した。