「さぁ……」

「とりあえず、もうすぐ夏休みだな」

魔法学校に戻ってきた利希は、そう言って微笑んだ。

「そうだね……夏休み、何して過ごそう……」

閃の言葉に、葵は「どうしよ……」と困った顔を見せる。

……夏休み、何をするか考えてないや……。

「この夏休み、思いっきり遊ぶぞ!庚、どこに行きたいとかある?」

「特に無いけど……」

「じゃあ、夏休みのどこかで買い物に行こ!」

「……分かったよ」

葵の言葉に、庚は苦笑しながら言った。次に、私を見つめて「ほのか、夏休みのどこかでまた遊びたい。遊ぼうね」と微笑む。

庚にそう言われたことが嬉しくて、私は「うん!」と笑った。

私にとって、初めての夏休み。楽しまなくちゃ!