魔法使いには、色んな称号があるらしくて、一番下から順に、魔法使い見習い、魔法使い、魔法使い熟練、魔法使い達人。それを全部合わせて、魔法使いって言うみたい。

2週間後にある昇格試験に受かれば、無事に魔法使いになれる。なったら、証として魔力の込められた腕輪がもらえるらしいんだよね。よく分からないけど。

「……うん。皆、上手!」

先生に褒められて、私は思わず微笑んだ。



「……」

数日後のある日、私はふと目を覚ます。まだ外は真っ暗。時計を見てみると、時計の針は12時を指していた。

まだこんな時間なんだ……。

私は、体を起こす。隣で寝ているはずの閃の姿が無いことに気が付いて、私は布団から出た。

「……」

部屋のどこを探しても、閃はいない。私は、寝巻きの懐に杖を入れて、部屋を出る。

「……っ!」

私の視界に光が現れて、その光はすぐに消えていった。その光に照らされて、一瞬だけ閃の姿が写ったような気がする。

「閃」

「ほ、ほのか!?」

あ、やっぱり閃じゃん……。

「閃、こんな時間からどうしたの?」

私が問いかけると、閃は黙ったまま視線を地面に落とした。

「……ま、魔法の練習を……」

震えた声で、閃は言う。あれ?閃の様子が……。