「なに?」



そこから出てきたのは少し大きめのクマのぬいぐるみ。



リュウヤはそれを持ってあたしに近づき、クマの手を持って握手を促してきた。




「クマとするの?」
ふふふっと笑いがもれる。




「なんか締まりねぇから、ほらこれの手握れよ」


「はいはい」



手を握ると、「よろしくな」とリュウヤが微笑む。
その笑顔を心に深く刻み込まれた気がした。




「……よろしく」

「キスでもしとく?」

「吐くよ」

「それは困る」


2人で大笑いをして、その日の昼休みを終えた。