「キャハハハハハ」





ドアの向こうから笑い声が聞こえる。



「またきてる……」



手に持ったシュークリームの箱に力が入る。

……今日は帰ろうかな。




建物を出るとすぐ横に小さな公園とベンチがあった。


座って箱をあける。



「美味しそう…」


一口頬張ると甘いカスタードが口いっぱいに広がる。


もう一口いこうとした時、





「あの!」


「!!!???」




彼がいた。



「え?!なんで?」



「こっちのセリフ…いつも同じ時間にくるから…」


彼はこっちをみて指を指した。



「それ。シュークリーム」

「ん?」


「俺の分、食べないでね」


そう言って隣に座る。





あの子は?

帰ったの?

なんで来てくれたの?


聞きたいことは沢山あるけど、彼の幸せそうな顔を見たらどうでもよくなった。