白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集


「もしもし」


「おお! 桃ちゃんじゃん!!
 まだ起きてた? ラッキー!!」


 なに?
 このうざいくらいの
 ハイテンションは。


「龍兄、酔っぱらってるでしょ?」


「は? 酔ってなんかねえし。
 $%$&%&#%$#$%&#&%$」 


 ちょっと、龍兄……

 スマホを置いて
 どこかに行っちゃったでしょ?


 明らかに遠ざかる龍兄の声。


 酔っぱらいのいたずらだと思い
 電話を切ろうとしたとき
「桃ちゃん?」と
 予想外の声が耳に届いた。


「え……と……」


「あ、ビックリさせたよね。 
 ごめんね。
 私、十環の姉の小百合」


 ひゃ!!

 十環先輩のお姉ちゃん?