白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集


「ひゃ!」


 いきなり首筋に襲ってきた冷たさ。


 顔をあげると
 ハムハムが、ミルクティーの缶を手に
 私を挑発するような瞳で笑っていた。


「そんな女らしい声、似合わんぞ」


「女だし!!!」

 
 語尾を強めて
 怒鳴った私を見て、
 お腹を抱えて笑い出したハムハム。


「やっぱお前、龍牙さんの妹だな。
 睨み方とか、スゲーそっくり」


「龍兄に似てるなんて言われても
 嬉しくないから!」


「本当か?
 TODOMEKIの奴らに言ったら
 『マジで嬉しいっす』って
 喜ばれるけどな」


「私、TODOMEKIとは関係ないし。
 普通の女子高生だし」


 ん? 

 ハムハム、どうした?


 さっきまで
 声を出して笑っていたハムハムから
 突然笑みが消え、
 真剣な顔になった。