「でも、龍兄の彼女が務まる人って
 なかなかいないと思いますけどね。

 だって龍兄
 大好きな人には、自分の命を捧げても
 平気ってとこあるから。

 普通の心臓持ちの女の人じゃ
 ついて行けないと思うし」


「アハハ。そうだね。
 でも、俺の姉さんなら
 その点は大丈夫かも。

 逆にさ、姉さんと付き合ったら
 龍牙さんが大丈夫?って思っちゃうよ」


「え?」


「龍牙さんと姉さんって
 同い年なんだけどね。
 二人で話している時は
 姉さんの方が強いからね。

 付き合ったら
 姉さんの尻に絶対に敷かれるから。

 あれ、桃ちゃんって、今どこ?
 家じゃないよね?」


「TODOMEKIの倉庫近くです。
 龍兄に電話しても
 全然つながらないし。

 家の近所を探しても
 どこにもいないから来てみました。

 龍兄の性格的に
 弱ってるときにTODOMEKIに
 行くことは無いって
 わかってはいたんですけど。
 一応見とこうかと思って」


「え? TODOMEKIの倉庫って……
 こんな時間に、桃ちゃん一人で?」


「はい。
 龍兄の居場所もわかったし
 もう帰りますから」