「龍牙くん、
 今夜はまたこの家に泊まって
 小百合と十環くんと3人で
 ゲーム大会でもしたらどうだい?」


「それがいいんじゃない?

 お酒を飲みながら
 小百合の部屋で龍牙くんの好きな
 バトルゲームでもすれば
 龍牙くんもちょっとは
 気持ちが晴れるんじゃないかしら?」


 父さんと母さんはそう言い終えると
 俺の方にニコッと笑いかけた。


 そういうことですか?

 ま、薄々は気づいていましたけど。


 龍牙くんをうちの子にしたいがために
 自分の娘と
 くっつけようっていう魂胆だね。


 今の『ニコッ』は
『二人が良い感じになったら
 自分の部屋に戻るんだよ』と
 俺に訴えているんだと思う。


 俺は父さんと母さんの
 実の子じゃないけど。
 すっごく愛情を注いでもらっていると
 思うよ。感謝もしているし。


 でもさ。

 父さんと母さんの龍牙さんへの愛情も
 半端ないからね。


 ま、俺は、
 龍牙さんが俺たち家族に
 なじんでくれるこの空気が
 結構好きだから、いいけど。