穏やかに私だけを見つめる
 いっくんの瞳から
 目がそらせられない。


 だって、ずっと私だけのことを
 見ていてほしいって思っちゃう。



 でも、もう限界。


 見ているだけじゃ
 満たされないから。



「いっくん……キス……して……」


 恥ずかしいくらい大胆な言葉が
 口から漏れたのに。


 私の脳はとろけそうで。


 いっくんに
 触れて欲しくてしょうがない。



「六花のその顔
 たまんなく、かわいいんだけど」


 いっくんの艶のある声とともに
 優しく重なった唇。


 体の骨が解けるほど
 幸せなキスだった。