お互いの唇が離れた後
 一気に込み上げてきた恥ずかしさ。


 それをごまかそうと
 私の口は
 意味不明なことを口走っていた。


「い……今のは……
 その……
 ご褒美の……お礼というか……
 本当の私じゃ……なかったというか……」


 目がグルグル回るかのように
 テンパっている私の口に
 十環先輩が人差し指を当てた。



「わかってるよ。
 俺を喜ばそうとしてくれたんだよね?

 急に大胆になっちゃう桃ちゃんも
 かわいすぎだからね」



 ちょこんと首を傾けながら
 キラキラした笑顔を見せた十環先輩。



 その笑顔が眩しくて

 大好きで大好きでしかたがなくて



 私は自分の気持ちが抑えきれなくて
 もう一度十環先輩に
 思いっきり抱きついた。


         ☆END☆