白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集


「桃ちゃん。
 本物のご褒美は、こっち」


 そう言って
 私の手のひらの上に置かれたもの。


 それは

 ピンク色のシュシュだった。



「この色って……」


「俺が高校の時に
 着ていたベストと同じ色。

 何件も手芸屋さんを回って
 同じ色味の布を、やっと見つけたの」



 私は無表情のまま
 手の上に置かれたシュシュから
 目が離せられない。


 だって
 紙袋に大量に詰め込まれていたものとは
 明らかに違う。


 うすピンクのシュシュのふちには
 白いレースが
 可愛さをプラスするかのように
 縫い付けられていて。


 お店で売っていてもおかしくないくらい
 かわいいシュシュだった。