『付き合う相手
 俺でも良くない?』


 俺なりに
 すっげー勇気を出して
 言ったつもりだったんだけどな……




 
『龍のほっぺた
 冷たくなってるじゃん』

 そう言いながら
 小百合が俺の頬を両手で包んで
 微笑んでくれた時。


 優しい瞳が宝石みたいに綺麗で。


 小百合の瞳が
 俺だけを見てくれればいいのにって
 願っている自分がいた。


 青木って奴のところになんて行かないで
 俺の傍にいてって。


 その思いを素直に伝えていたら
 何かが変わっていたんだろうか?



 変わるわけないか。


 そんなことをしても
 優しい青木って奴を選ぶだろうな。
 小百合は。