「別に、友達なんていらないし。
助けてもらおうと思わないから。
嫌なことがあったら
ヘッドフォンつけて
ガンガンにロック聞きながら
真っ暗な部屋でひたすらゲーム。
大抵のことは、それでごまかせる」
「それでもごまかせない時は
どうしてるんだよ?」
「……言いたくない」
「まさか……
嫌な奴の靴に
画びょうを仕込むとか?」
「は?
そんな犯罪チックなこと
するわけないでしょ」
「じゃあ、どうしてんだよ」
「ひたすら……泣く。
布団に潜って……。
隣の部屋の十環にも……ばれないように」
俺、何を聞いてんだろうな。
小百合に
こんな痛々しい表情をさせてさ。



