白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集



 その日からの俺は
 自分でもどうしていいか
 わからないくらいポンコツ。


 店番をしていても
 子供たちに空手を教えていても。

 気を抜いた瞬間に
 小百合の寝顔がフラッシュバックして
 いきなり体が言うことを聞かなくなる。



 今日だって
 小百合はいつも通りの上から目線で
 俺にも女王様モード全開で
 突っかかってくるのに。


 それがなぜか……
 かわいく見えるっているか……


 小百合のことを
 もっと笑わせたいって
 思うっていうか……

 
 でも、ドキドキが止まんなくなるから
 小百合を見ないようにしようと思っても
 いつの間にか目で追っているっていうか。


 あ~!

 もう!


 マジで俺
 自分の心をコントロールできねえ!!