「龍兄!
 今から私が言うことを聞いたら
 即、この部屋から出てってよ」


「は?」


「約束してくれないなら
 言わないから!」


「わかったよ。
 桃の言葉を聞いたら
 この部屋を出てくから」



 恥ずかしすぎて
 口が開こうともしてくれない。


 上下の唇が
 思いっきり力を入れて閉ざしている。


 私はベッドの上で
 頭まで布団をかぶった。


 そして、亀みたいに布団に隠れたまま
 やっと口を開いた。



「龍兄のことは……
 スーパーヒーローだって思ってるよ……

 私が辛い時には……
 いきなり飛んできて……
 助けてくれたりするから……」