「お前さ
 本当に俺のこと、頼りにしてる?」


「……してるよ」


「お前には十環がいるから
 もう俺なんて、必要なくねぇ?」



 龍兄……
 そんなこと思ってたんだ……


「そんなことないよ。
 十環先輩には素直になれないことも……
 龍兄には相談できたりするから……
 それにさ……」



 今、正直に思ったことを
 龍兄に伝えたいけど。


 面と向かって言うのが恥ずかしすぎて
 言葉が続かない。



「それに、なに?」


 切なそうに私を見つめる
 龍兄の瞳。


 その瞳が目に入って
 私の心がチクチク痛みだした。