自分の部屋に戻り
 ベッドにばたりと倒れこみ
 頭まで布団をかぶった。


 なんだろう。 

 心を覆い尽くすような
 このモヤモヤは。


 いろんな感情が入り乱れて
 頭の中がぐちゃぐちゃに。



 十環先輩を喜ばせたい。


 十環先輩からのご褒美が欲しい。


 だから何が何でも
 龍兄を十環先輩の家に行かせたい。


 それなのに……


『私を助けてあげたいけど
 十環先輩の家には行きたくない』と
 心の中で葛藤している、
 龍兄の痛々しい表情が目に入った瞬間、
 自分の行動が恥ずかしくなった。