そんなことを考えながら
 桃ちゃんの部屋の前に戻って来た。


「桃ちゃん、もう着替え終わった?
 入ってもいい?」


「……いいですけど」


 桃ちゃんらしからぬオドオド声が聞こえ
 ドアを開けた瞬間
 桃ちゃんを見たまま固まった俺。


 桃ちゃんのナース姿……

 想像以上に……
 かわいすぎ!!


 しかも
 恥ずかしそうにモジモジしながら
 顔を真っ赤に赤らめて。

 
 普段とのギャップがありすぎて
 こういう時の桃ちゃんって
 かわいくてたまんないんだから!!


「……こんな格好
 ……似合わないですよね?」


 金縛りに合ったように
 動けなくなっていた俺の耳に、
 桃ちゃんの自信なさげな言葉が
 届いた瞬間
 やっと動けるように。


 そして俺は
 桃ちゃんのところまで駆け
 思いっきり桃ちゃんを抱きしめた。


「ちょ……ちょっと
 十環先輩……

 早くリビングに行かないと……」


「ごめん桃ちゃん。
 もうちょっとだけ、このまま」


 あ~! 


 他の人に
 こんなかわいい桃ちゃんを
 見せたくない!



 このまま俺の腕の中で、
 ずっと抱きしめていたい!


「桃ちゃん、かわいすぎだから」


「かわいいって言ってもらえるのは……
 嬉しいです……」


 だから
 その表情が反則なんだって。


 いつもツンツンしているのに
 たまに見せてくれる照れた顔。


 キュンキュンさせられるんだけど。