白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

☆十環side☆

 
「十環、わかってるんだろうな」


 俺を部屋に入れるなり
 真剣な表情に変わった龍牙さん。


 そして、威厳のある声を発した。


「桃を、TODOMEKIの姫にするってことは
 危険なところに
 桃の足を突っ込ませるってことだぞ。
 十環、わかってるのか?」


「わかってます」


「死んでも桃を守り抜くっていう強い意志、
 持ってんだろうな?」


「安心してください。
 俺、どんなことがあっても
 絶対に桃ちゃんを守り抜きますから」


 俺の意志を確認するかのように
 鋭い瞳で
 俺を睨み続けていた龍牙さん。


 睨みが解けて
 フッと優しい顔に戻った。


「ま、十環は
 俺が一番信頼している男だから
 言わなくてもいいかもと思ったけどさ。
 一応聞いておきたくてな。

 十環、桃のこと、頼むな」


「はい」


 俺が穏やかに微笑んだ直後
 なぜか龍牙さんがモゾモゾしはじめた。


 どうしたんだろう?