「龍牙さん……それは嫌です」
「は?
なんだよ、十環。
せっかく俺が
お前の味方になってやったのに」
「だって、桃ちゃんのナース姿は
誰にも見せたくないので」
「俺にもか?」
「龍牙さんにもです」
「十環! お前!!
桃のことを独り占めするなよな!!」
「だって俺だけの
桃ちゃんですから」
「お前だけの桃じゃねえよ。
桃は俺のかわいい妹だし。
十環がそんな無神経なこと言うなら
俺は絶対に認めないからな。
桃がTODOMEKIの姫になること」
「いいですよ。
俺、鷹矢(たかや)さんに
必死にお願いするので」
「なんだよ、十環。
親父に気に入られてるからって
マジでムカつく」
「ちょっと、二人とも。
もうわかったから。
私がこの服を着て
頭を下げに行くから」
「桃ちゃん、それは俺が嫌なの。
公星さんも来るのに……」
「そしたら私
TODOMEKIの姫になれないし。
一緒にいられる時間が減っちゃいますよ。
十環先輩は
それでもいいんですか?」
「それは……嫌……」



