「俺……嫌かも……」


「え?」


「他の男が
 桃ちゃんと楽しそうに笑ってるの
 見たくないかも……」


 肩を落としてつぶやいた
 十環先輩が可愛くて
 私は十環先輩の耳元で囁いた。


「二人だけの時は
 十環先輩の物ですから」


「桃ちゃん! 本当に可愛すぎ!」


 いきなり十環先輩に
 きつく抱きしめられた。


「だから十環!
 そういうのやめろって!」


「何度も言うけど
 TODOMEKIにいる時は
 桃華はみんなの姫な。

 それが守れないなら
 十環だけ出入り禁止にするからな」


「その時は
 桃ちゃんを俺の家で監禁して
 TODOMEKIに行かせないように
 しますから」


「監禁って……
 十環さんって
 そんな恐ろしいことをする人
 でしたっけ?」


「十環ならやりかねないな」


「ああ。
 優しく微笑みながら
 桃華ちゃんのこと閉じ込めそうだよな」


 私と十環先輩を囲みながら
 みんなの笑い声が
 このTODOMEKIの倉庫に響いている。


 この空気が心地よくて
 私もこのTODOMEKIに入りたいと
 この時、強く思った。