季節は春から夏に変わって生徒達も衣更えで薄着になった。


夏恵は傷が堪えなく、酷い時は長袖のカーディガンで傷を隠して来た。


先生方の間でも、夏恵の傷のことは話題になっていた。

何度も保健室に呼ばれて、事情を聞かれていた。


「朝霧先生は鷹司さんの怪我については何か聞いてますか?」


保健医に聞かれたが、果たして答えても良いものかと悩んでしまう。


「鷹司は何か言ってるんですか?」