お兄ちゃんは、はぁ… と頭を抱えている。


「…じゃあそこでできた友達に本を貸すのか?」

「友達…ていうか」


 皐月くんとは、どんな関係?たまたま図書室で会った人?同じ本好きなモノ同士?


「……はっ、まさか、彼氏か…!?」

 お兄ちゃんが、震えながら恐る恐る聞いてくるけど、違う違う!


「まさか!今日会った人だよ。もちろん雅月の生徒の人だけど。その人、凄いんだよ。
同じ1年生なのに、雅月全体でトップって噂があるの」

「へえ…。1年でトップねえ」

 あれ、そうか、確か楓空兄も雅月高校出身だったっけ。


「お兄ちゃんは噂じゃなくて事実だったよね。たしか」

「まぁ…。それで?その人、男?」