彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加



 そのお父さんは今はもういない。


「久しぶりね〜楓空。あらっ、また背伸びたんじゃない?」

「あっ、確かにお兄ちゃん伸びてる」


 言われてみれば、半年前よりも僅かに目線が上のような…。

「いいなぁ、21歳でも身長伸びてるなんて。私ももうちょっと欲しいなぁ…」

「俺、伸びてるか?でも七海はそのままでもいいよ。ちっこくて可愛いから」

「えええ…」


 お兄ちゃんにそう言ってもらえるのは嬉しいけど、私156しかないんだよ。高校1年生なのに。

 ホントは160くらい欲しいんだけどなぁ。

「うんうん。七海は今のままでもいいわよ」


 お母さんさんにまでそう言われて、ずうんとヘコむ。