——————約束、守れてなくてごめんね。



 スッと、横からイチゴミルク飴が飛んできた。


「えっ…ぅわっ」


 慌てて両手でキャッチする。

 隣を見ると、梨々ちゃんが口に人差し指を立てて「ナイショ」と微笑んだ。


「………ありがとう」

 ぽわっと、黒いモヤが薄れていく。


 優しくて、私のこと大事にしてくれる。こんな人たちを巻き込まないためだから。


 許してね、お父さん。


 イチゴミルク飴をそっと両手で優しく、握り締めた。