彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加







「……………」




 黙って私の話を聞いてくれてた皐月くんは涙が溢れ出る私の頭に手をのせてそっと撫でてくれた。




「……うん。ありがとう、話してくれて」




 初めて誰かに話して、不思議なほどにスッキリしていた。


 今まで溜まっていた自分が味わってきた恐怖がスッと軽くなる。


 そっか。 簡単なことだったんだ。


 ひとりで溜め込まなくても


 誰かに話すと、楽になるんだ。





 校内アナウンスが流れて昼休みがもうすぐ終わることを告げる。



「……ありがとう皐月くん、聞いてくれて。話したらスッキリしたよ」
 


 カチャリと、メガネを外す。



 皐月くんはメガネを外した私の顔をジッと見て…



 優しい顔で微笑んでくれた。



「可愛い、七海」



「え…………っ」