彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加


「……大丈夫です」


 俯きがちで答える。



 SNSでのこと。私がメガネを外した顔も、先生はきっと中学時代の資料で知っている。


 だから、出回ったあの写真の人が、私だということも。


「そうか。…もし何かあったら言えよ」


「はい。ありがとうございます」


 早々にテントを去る。

 あのことは、忘れたかった。




「…日向さん!」


 応援席の方に向かおうとすると、誰かに呼び止められる。


「皐月くん…」


 即座に確認しても幸い周りに女子たちはいない。


 それに、もし何か言われても係のことなんだから噂になったりしないよね。



「あのね、さっき、先生から…」


 先程言われた内容を伝えようとすると。


「その前に」


 両肩に手を添えられた。

 男の子の、大きな手。


「さ、さつきくん…?」


 突然のことに目の前の彼を見つめる。

 一体、何…?

 心臓がバクバクと騒ぎ始めた。