「……大丈夫です」
俯きがちで答える。
SNSでのこと。私がメガネを外した顔も、先生はきっと中学時代の資料で知っている。
だから、出回ったあの写真の人が、私だということも。
「そうか。…もし何かあったら言えよ」
「はい。ありがとうございます」
早々にテントを去る。
あのことは、忘れたかった。
「…日向さん!」
応援席の方に向かおうとすると、誰かに呼び止められる。
「皐月くん…」
即座に確認しても幸い周りに女子たちはいない。
それに、もし何か言われても係のことなんだから噂になったりしないよね。
「あのね、さっき、先生から…」
先程言われた内容を伝えようとすると。
「その前に」
両肩に手を添えられた。
男の子の、大きな手。
「さ、さつきくん…?」
突然のことに目の前の彼を見つめる。
一体、何…?
心臓がバクバクと騒ぎ始めた。

