彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加


「そ、そろそろ行きましょう…?」


 この空気に耐えられず口から出まかせにそう言うと「どこに?」と笑顔で返された。


「今はちょうど仕事もひと段落ついてるし。よかったら、ちょっと———」

「日向さん」


 振り返って…なぜかホッとした。


「……皐月くん」


 また君か、というふうに藤寺先輩が笑う。


「日向さん、先生が呼んでる」


「あっ…うん。教えてくれてありがとう」


 …ごめんねっ、皐月くん!

 小走りで応援席の方に行く。


 ちょうど100m走が始まるようで応援席は大いに盛り上がっていた。


「うおおおっ!次、真柴さんが出るって!」

「マジか!ウチのトップクラスの美人だよな〜」

「でも、彼氏いるんだろ?」


 さっ、さすがというか。

 やっぱり梨々ちゃんは可愛いから凄い人気者だ…!


「ふ〜ん、なるほど」