彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加



「……体調不良?大丈夫?」


 とりあえずベッドに座ってもらって私も座り直す。


「ううん。体調が悪いわけじゃないの。ごめんね」


「そっか。ならよかった」


 ホッと息をついた梨々ちゃんは微笑んでくれた。

 いつもは騒がしい…っていうか賑やかな梨々ちゃんだからヘンな感じだけれど優しいところはそのままだ。


「……これ、休んでた分のノートのコピー。よかったら使って」

「ありがとう」



 ファイルに挟んであるのは梨々ちゃんの綺麗な字の各教科のノートのコピー。


 …わざわざ、申し訳ないな…。


 ファイルを手にしてそう思っていると。



「…あの、七海ちゃん」


 恐る恐る、といった感じで梨々ちゃんが口を開いた。


「あのね…七海ちゃんが休んでるのって……私のせい?」


「え?」


 固まる私をよそに梨々ちゃんは一気に話し出す。


「もし私のせいだったら、ごめんなさい…!私が気付かないうちに七海ちゃんに嫌な思いさせてたのかも……」