彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加


「……そうか」


 お兄ちゃんは一瞬寂しそうな顔をしたけれど、「七海、」と優しい声で呼んでくれる。



「周りは迷惑なんて思ってないからね」




 うん。

 ありがとう。



 
 でも私にはどうすることもできない。



「そういえば朝に柊から連絡あってな。梨々ちゃんからだそうだ。見舞いに行く、と」



「え」



「だから夕方梨々ちゃんが来るからな」


 見舞い?家に来るの…?


「すごい心配してるらしいぞ。会っとけ」

「で、でも…」



「七海」


 お兄ちゃんに遮られる。



「友達が急に3日連続で休みなんて仲良い人が心配するのは当たり前」


「………うん。分かった」



 お兄ちゃんは頷くと、机の上におにぎりを1個載せて部屋から出ていった。