「……そうか」
お兄ちゃんは一瞬寂しそうな顔をしたけれど、「七海、」と優しい声で呼んでくれる。
「周りは迷惑なんて思ってないからね」
うん。
ありがとう。
でも私にはどうすることもできない。
「そういえば朝に柊から連絡あってな。梨々ちゃんからだそうだ。見舞いに行く、と」
「え」
「だから夕方梨々ちゃんが来るからな」
見舞い?家に来るの…?
「すごい心配してるらしいぞ。会っとけ」
「で、でも…」
「七海」
お兄ちゃんに遮られる。
「友達が急に3日連続で休みなんて仲良い人が心配するのは当たり前」
「………うん。分かった」
お兄ちゃんは頷くと、机の上におにぎりを1個載せて部屋から出ていった。

