彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加




 学校を休んで3日目。


 今日も雨が降っている。



 家には私とお兄ちゃんだけだけれど朝の10時ということもあってまだ楓空兄は寝ていると思う。


 一方で私はベッドに入ったまま。7時頃に目が覚めてそれからずっと天井を見つめている。



 学校を休んだのは、お母さんの意思でもお兄ちゃんの考えでもない。



 私が勝手に休んだ。

 
———これ以上、迷惑をかけたくないから。




 SNSの件はもう収まってきているらしい。
 なんでも、隣町に行った人はいたが、誰一人として目撃したり情報を掴んだりは出来なかったと聞いた。



 …まあ確かに私は隣町には行ってもいないし。

 きっとお母さんが中学校に何も言わないでほしい、と頼んでくれたのかな…。



 コンコン、と扉が叩かれる。


 お兄ちゃん?まだ朝の10時なのに?


「…はい」

「七海」


 案の定入ってきたのはお兄ちゃん。

 そのままドスンとベッドに座った。


「もう収まってきたからさ。学校行っても何も問題ないよ」


 優しい笑顔に安心する。



「………でも。まだ分かんないし…バレるかもしれないから」


 
 過去は変えられない。




 そう分かっているから…。