彼の溺愛は甘い罠 ✎ღ 番外編追加



 バァンッ!!




 屋上の扉が乱暴に開かれた。




 なっ!?誰!??



 …そこにいたのは。





「………………皐月くん?」


 がいた。

 肩で息をした彼は、私と藤寺先輩を見たあと思いっきり顔をしかめて、スタスタと歩いてくる。


「えっ、皐月くん…?」


 イキナリの登場に戸惑っていると、私の顎に添えられたままだった藤寺先輩の手をガシリと掴む。


「…何?秀才くん?」

 ニタリと笑う先輩に、

「…嫌がってます、離してあげてください」

 無表情の皐月くん。


 何この状況…!?


 一方私はプチパニック。


「さ、皐月くん…どうしてここに…」


 皐月くんは私をチラリと見たあと


「もうすぐ5限目始まるから」

 すぐに先輩と向き合ってしまう。


 もしかして。

 探しにきてくれた…?


 そう考えてたけど、それどころじゃないよね、コレ。