セジョウ





「…上月くんて重いんだ」


「うん。自覚はしてる。さっき大沢さんに言った言葉はすべて俺そのものの言葉だから」



未だ繋がったままの手を上月くんは
離す気はないらしい。

時折ぎゅっとされ、なぜか胸が鳴る。



そしてわたしも、離す気はあまり
起きなかった。

むしろ繋いだままでもいいかな…
なんて思ってしまう自分がいる。



「知ってる?うちの高校のジンクス」


「ジンクス?」



聞き返すと
上月くんは耽美な笑みを浮かべながら



「日暮れ前の花壇で告白すると
成功するってやつ」



照れくさそうに言った。

上月くんはわりと照れ屋なのかもしれない。