第6章





霊視刑事 星野ヨシヒト 
********************************************



「心不全・・?」


「あくまで、“のようなもの”
って注釈がつくっすけどね。」




目撃者や、被害者たちへ恨みを持つ人物がいないか?

今朝の捜査会議で、まずは関本主任から皆へ聞き込みの号令が出た。


ただ気になったのは被害者の死因について。

今朝配られた鑑識資料には、
“所見”の欄はまだ空白になっていた。


「ヨシト君、グロイの大丈夫?」


「うん問題無い。」


鑑識班 長くんの作業場を訪れると、
何枚もの解剖写真を見せてくれた。


「まず目についたのがこの肺。
うっ血してたんすよ。」


「・・・・・。」


「そしてもう1つ、こっちの写真。
臓器に水が溜まってた。」


「これはつまりどういう・・?」


「心臓の機能が低下して、

体全体に血液が送り出せていないと、こうやって肺や他の臓器に影響が出るんすよ。

心不全の症例とかなり酷似してるっすね。」